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■PC-UNIX

近頃は書店のコンピューター関連雑誌のコーナーにもPC-UNIXの本がたくさん見られるようになり、また、一時はブームのような兆しもあったりして、PC-UNIXを業務で利用するケースも今では相当な数にのぼるのではないでしょうか。

PC-UNIXを業務で利用する上で魅力的な所は、まずなんと言っても経費をかけないで多くの高度な機能を利用できる事でしょう。OSは無料で手に入りますし、アプリケーションもネットワーク関連からプログラム、CAD、MIDI・サウンド等実用的な物からゲームまで、数多くのすばらしい物が無料で利用できます。また、サーバー専用として利用するのであればGUIも必要無いし、スペックの低いPCでも結構軽快に動作するので、例えばデスクトップPCを買い換えて余ったPCにPC-UNIXをインストールしてファイルサーバーとして活用する事等もできます。

そして、かつては国内のPC市場の大多数を占め、今ではもう骨董品の域にはいりつつあるPC-98シリーズでもPC-UNIXは動作するので、社内で使わなくなって眠っているPC-98にPC-UNIXをインストールして、再び現役として活用する事もできたりします。現に当社ではまだPC-98シリーズ上で稼動するFreeBSDサーバー機が現役で活躍しています。PC-98シリーズというと、現在普及しているAT互換機と違って、Windows95が普及し始めた頃の不安定さや、拡張性の問題等がありましたが、OSが機種にマッチしたものであれば、その安定感や頑丈さにはやはり一目置くものがあるのではないでしょうか。

■LinuxとFreeBSD

パソコンで動くUNIX系OSといってもその代表的な物としてはLinuxとFreeBSDがあります。Linuxはフィンランドの当時学生だったLinus Torvalds氏が一から書き上げたカーネル(OSの本体)がベースとなっています。一方FreeBSDは、オリジナルのUNIXを元にカリフォルニア大学バークレー校で開発されたBSDというOSがベースとなっています。ま、歴史の事はともかくとして、実際に何が違うのでしょう。

■Linux
  1. いくつかの配布元から異なるパッケージ(ディストリビューション)が配布されている。
  2. 数多くのアプリケーションが初期状態でインストールされる場合が多い。
  3. サポートするハードウェア、または企業が比較的多い
  4. 初期状態で日本語の入力、表示ができる場合が多い

ディストリビューションにもよりますが、OSインストール後の初期状態で様々な環境が既に整っている物が多いようです。つまりサーバーアプリケーションにしろデスクトップアプリケーションにしろ、ひととおりプリインストールされるので、必要な物を探してきて自分でインストールする手間があまりかからず、すぐ使えるのがメリットですが、用途によっては必要の無い物までプリインストールされるので、無駄が多いとも言えます。また、商用アプリケーションでも、Linux用で動作する物が結構たくさんあります。と言うわけで、例えば手っ取り早く使って見たい、もしくはデスクトップ用途でPC-UNIXを使うならこちらが向いていると言えると思います。

■FreeBSD
  1. 配布元は1つで、1つのパッケージに統一されている。
  2. 初期状態では最低限の物しかインストールされない。
  3. 日本語の入力、表示をするには作業が必要

OSインストール後の初期状態では、UNIXの基本機能しかインストールされないので、用途によって必要な物を自分でインストールし、システムを構築していく必要があります。逆に言うと、何がインストールされているのか把握しやすく、そういう観点では必要な物だけをインストールしたスリムなサーバー環境を構築するのに向いていると言えると思います。また、Linuxに比べるとサポートされるハードウェアはやや少ないかもしれませんが、メジャーな物はほぼFreeBSDでも動作可能なようです。

■まとめ

ここまで書いてくると、Linuxはデスクトップ向き、FreeBSDはサーバー向きと受け取られそうですが、これはあくまで筆者個人の感覚にすぎません。Linuxで各種サーバー運用するケースも多いですし、デフォルトでシンプルな構成のディストリビューションもあります。また、FreeBSDをメインのデスクトップOSに使用する事ももちろん可能です。
このコーナーでは筆者が実際にサーバー環境やデスクトップで運用しているアプリケーションのインストールや設定について紹介します。ただ、筆者の環境でうまくいった物がかならずしもどこでも同じ様に動作するとは限りません。もしもこの記事を元に設定し、不都合が起きたとしても責任は負いかねますので、ご了承ください。

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